中華圏の巨龍たち

1月7日早朝、「香港電影大王(香港映画大王)」と呼ばれ、中華圏の映画・テレビ界の発展に尽くし、富豪で慈善活動家としても知られる香港のテレビ局最大手、TVB(無線電視)名誉会長の邵逸夫(ランラン・ショー)氏が死去した。享年106歳(数え年では107歳)。
自宅で意識不明となっているところを家族が見つけ、救急搬送された病院で死亡が確認された。老衰とみられる。

兄とショーブラザーズ設立
「香港電影大王」と呼ばれたショー氏は1907年、浙江省寧波に生まれ、上海で育った。染め物業を営んでいた父親が上海の劇場を買収し映画上映を始めたことで、映画は一家の主要ビジネスとなる。

1926年、19歳の時にシンガポールにわたったショー氏はその4年後、先に来ていた兄と映画会社「ショーブラザーズ(邵氏兄弟)」を設立する。
兄弟はトラックで村を回り、無声映画を上映した。後に華僑好みの映画製作を開始。ショー氏は有声映画の録音機を手に入れるため命がけで船で米国に渡り、危うく遭難しかけたという。

1932年、中華圏の映画としては初めての有声映画『白金龍』を撮影。東南アジアでセンセーションを巻き起こした。その後、シンガポール、マレーシアの各地に劇場を作り、30年で東南アジア市場を完全に制圧した。ショー氏の次なる市場は香港。工業化が始まり、経済的余裕を手に入れ始めた香港では、誰もが娯楽を渇望していた。

「香港映画大王」邵逸夫氏死去、享年106歳(下)に続く

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